それでは、本編のはじまり始まり・・・・・・
さて、ちょっとした準備やライダーズミーティングも終わり練習走行である。路面は相変わらずウエットの状態。
30分の練習走行でどれだけ乾くかで、予選の条件が変わる。我がチームはゼッケン11なので、
練習走行で路面が完全に乾いてくれないと予選では思いきり不利な目にあってしまう。
太陽よ出てくれ、みんな気合いを入れて走ってくれぇ〜と祈ったが、路面は半乾きにしかならなかった。
予選の開始である。予選はゼッケン順に5台ずつ5周走り、その時の最速ラップタイムで決まる。
練習走行の時とは違い、どのライダーも目が三角になっている。しかし、予選3組目の時点では、
まだ完全なドライとはならなかった。
ゼッケン順にスタートする。したがって、11番は一番前だ。まだ、乾ききっていないコースでいまいちスピードが
乗らない。しかもうちのライダーが予選なのにブロックラインで走行するものだから、みんなタイムが上がらない。
結局頭を使って、わざとスピードを落としてクリアラップを作ったライダー以外はまとめて予選落ちとなってしまった。
予選が進むにつれ、コースも乾き最後の7組目のころには完全なドライ。当然タイムも縮み、
ぎりぎり予選通過かどうかというレベルまで我がチームは後退。あとは祈るのみである。
(まさか、これが好結果を生むとはこのときは考えてもいなかった)
結果発表、予選24位。あちゃ〜予選落ちである。A決勝進出の夢は無惨に砕け散った。
(賞金が出るのは当然A決勝の三位までである)予選21位以下13台によるB決勝へと駒を進める事となってしまった。
こうなると、B決勝3位までに入って賞品を貰っていくしかない。ライダーはB決勝なら勝ちにいくと豪語していた。
まあ、当然でしょう。その位の気持ちがなけりゃ、レースなんかやらないわな・・・
なんたって、ミニバイクのコースは狭いし短い。A決勝に残ってもおかしくない数チームと、
参加する事に意義があるチームでは周回のタイム差がありすぎる。レース開始後、5分と経たないうちに
周回遅れが出始める。こうなるともう何がなんだか判らなくなってくる。判るのはスタート時に前にいた3台を
抜いたか抜かないかのみである。当然のごとく、各チームとも作戦を立てている。いつライダーが変わるのか、
第1ライダー(普通は第2ライダーよりはやい奴)と第二、第三ライダーとの走行時間の配分等々。
スプリントレースではないのでいろいろな駆け引きが存在する。それが、勝負を決する事も多いのだ。
結構の数のチームが約20分でライダー交替を開始した。当然スタートは第1ライダーやっている所が多く、
ライダーが変わると一気に順位が落ちてくる。そこで、走行時間配分を第1ライダーが多く走るようにして、
勝負を賭けるのだが、うちのチームのライダーは第1も第2もほとんど同じタイムで走るから、
ライダーが変わった時点ですべてのチームは二度とゼッケン11に追いつく事は出来なかった。
ライダー一人で走るのなら、基本的に予選上位の奴を抜く事は出来ない。しかし二人以上の総合力となると、
話は変わってくる。
自分のチームのタイムを計るのに精一杯で、勝負の相手のチームの状況を把握するなんてことは
アマチュアにはなかなか出来ないもんです。
しかし、中には例外もいる。ゼッケン12がそうだ。このチーム実は知り合いで、主力ライダーはうちのチームの本当
のエースライダーとための実力の持ち主である。(今回の我がチームのライダーは実は2番手と3番手なのです。
ちなみに私は4番手。メンバーが増えるたびに順位が下がる
かなしぃ〜 だからいつも 監督なのさ)
本当は楽勝でA決勝進出なのだが予選の時うちのチームが邪魔してタイムが出なかったのだ。
当然、一人で走られたら、まったく歯が立たないのだが、残念ながら第2ライダーが遅かった。
そのことに気がついてあわてて、時間配分を変更。一人で1時間40分を走る事にしたのだが、時すでに遅し、
たった20分の間に稼いだタイム差を最後まで、無事守りとうした。(でも、あと10分レースが長けりゃヤバかった)
レース30分経過の時点で、同一周回に1台いるだけのトップ。あとは、独走体勢で首位を守りとうした。
こうなると相手は12番だけである。ときどき、12番とのラップ差をライダーにサインボードで教えるだけで、
事が足りる。ライダーの方もペースを少し落として安全走行に切り替えている。
残り30分の時点で7ラップ差、計算上はもう絶対安全圏である。
こうなると心配はマシントラブルのみである。まさかの、トラブルや、あと5分の高吉状態になるのが
もっとも懸念される。ここまできたら、初優勝は手に入れたい・・・・
だが、チーム員の心配をよそに、2時間後ゼッケン11はチェッカーフラッグをうけ、
ライダーはガッツポーズでコントロールラインを無事通過した。
2時間00分18秒 周回数268周
「は〜い、おつかれさん」
「やったね!!B決勝でも、トップはトップ。優勝は優勝」
「ばんざ〜い」
「いや〜、ピットクルーの方が緊張するねぇ。俺も走れば よかった・・・」
「わざと予選で手を抜いたと抗議がでるんじゃないの?」
今年最後のレースで、まさかの一位を手に入れた我がチームは、みんながみんな最高の笑顔で健闘を讃えあった。
「さあ、来年もがんばるぞ〜!!」
「お〜 」